2009/12/18

敷金返還のことでもの申す。
少し長いけど部屋借りる時に少しは参考になると思うので宜しければ。

実家として5年契約してた賃貸マンションの退去に伴う敷金返還の件で、
母親が不動産屋に言い包められて根負けしてたんで僕が動いたんだけど。
あっさり決着つけた。

不動産から送りつけられてきた退去精算書には、
「敷金174,000円から敷引き契約で139,515円を控除し、34,485円を返金します」
とか平然と書かれてあったんだけど。酷い。17万が3万に。
あまりに傍若無人な内容で、今まで贔屓にしてくれてた借主様を愚弄してるとしか思えない。

で。結論から言うと。
交渉の末、最終的には敷金控除額は45,000円で、計129,000円を返金させることにしました。
つまり返金は34,485円から129,000円になり、当初の提示金額から約95,000円分は取り戻した計算。
かなり明け渡し状態が悪かったんだけどこれくらいで妥当かと。
親孝行息子過ぎる。自分で言う。

当初の修繕の見積書には、修繕費の合計が252,105円とか書いてあって、家主と不動産側は、
「まぁ治すのこんだけかかるけど、契約書に敷引き契約となっとるし約束通り139,200円で涙飲んだるわ」 的な。
まあふざけてるというか、舐めてますよね。

あまり認知されていないけど、
本来この敷引き(退去時に敷金から必ず控除される金銭)契約自体がもはや違法なんですよ。
ここで法律の出番。

(消費者の利益を一方的に害する条項の無効)
第十条  民法 、商法 (明治三十二年法律第四十八号)その他の法律の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比し、消費者の権利を制限し、又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第一条第二項 に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。

なんやややこしいけど、大雑把に言えばこの法律は、
「部屋借りた契約自体が借りた人に不利に作られているなら、その契約自体ナシに出来ますよー」
ってこと。
賃貸契約する時に感じたことがある人もいるでしょう。
なんか不利なことばっかり言われよるな、と。特約事項とか正にそれ。
しかしハンコ押してるからって諦めてはいけません。
過去の裁判の判例でも、この法律で借主が勝利して敷金全額返金してもらうケースが多々あります。
敷引きは、借主の預けた金銭を否応無しにむしり取ろうとする貸主の横暴な謀略なので
法律で覆すことが出来るのです。

そもそも敷金っつーのは、借主が住居の原状回復のために貸主に預けてる金銭。
まあ言うたら、夜逃げしないための人質みたいなもんです。
ほんなら逃げなかったら人質は解放してもらわないと。ね。

借主には退去時の 「原状回復義務」 というのが宅建業法で定められているけど、
原状回復の定義を勘違いしてる借主や貸主が多い。
原状回復ってのは、「借りたもんが入った頃のきれいな状態に戻せやー」 ってことではなくて、
「借りた人が壊したり汚したりしてしまったものだけは治しなさいよー」、ってこと。
だからたとえば、ふすまに穴開けたりとか畳をタバコで焦がしたりとか、
借りた人がやっちゃった系は治さなければいけないけど、
自然に冷蔵庫の裏が黒ずんだり、家具で床が凹んだり、壁紙が日に焼けて黄ばんだり、
そういった自然になっちゃった系については一銭も払う必要がない。
この辺の線引きは、国土交通省によって定められている、
「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」 に全て明記してあります。

そしてまだあります。
たとえこちらに過失があった場合の原状回復も、
「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」 の負担率に則った額を支払えばいいのです。


「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」 借主の負担率

仮にうちのように5年住んでいた物件で、
一枚3,000円のふすまを10枚破ってしまったとしても、
5年間の負担率はグラフを見て分かるとおり25%と定められているので、

3,000 × 10 × 0.25 = 3,000円

30,000円するものを破損させてしまっても、3,000円の支払いでいいんです。安っ!
それだけ原状価値が下がってると考えるのが妥当なのですね。
日焼けとか変色とかは論外。一銭たりとも払う必要ありません。
畳やクロスも同様です。負担率に則って計算すると、
居住年数が高ければ高いほど借主の負担は軽減されます。
それも当然のこと。本来、借主の僕らが毎月収めている家賃の中に、
賃貸物件の修繕費は減価償却費として含まれているのです。
だから自然消耗に関する修繕、
つまり次の人に気に入ってもらえるためにキレイキレイすることは
毎月支払ってた家賃の中からやれよ!ってのがセオリーなんですよ。
消毒代とかクリーニング代とかエアコン清掃代とか鍵交換代とか全部そうです。
払う必要ないです。

後は法的措置も辞さないよという、正当性を示した上での駆け引きが決め手。
不動産屋や家主が折れない場合は、敷金返還を要求する書面を内容証明郵便で送りつける。
つまりこれが、ガチで裁判やるよ?っていう布石になる。
不動産と家主は全額負担になるのは痛手だし裁判沙汰は面倒なので、
金額の折り合いをつけましょうよと下手に出てくる。
主導権は借主にある、ということを忘れないことが大切です。


(当初の見積)

タタミ表替6枚 単価3,500円
計 21,000円
フスマ張替(大)10枚 単価2,600円
計 26,000円
フスマ張替(小)4枚 単価2,600円
計 10,400円
クロス工事 単価1,100円
和室 10㎡、洋間*2 45㎡、玄関-台所 58㎡、洗面所 14㎡、トイレ 10㎡
計 150,700円
清掃・ワックス
計 32,000円
消費税
計 12,005円

合計 252,105円
敷金
+174,000円
敷引き
-139,515円
返金額
34,485円

(交渉後)

タタミ表替6枚 単価3,500円
・通常使用による損耗のため負担ナシ
計 0円
フスマ張替(大)10枚 単価2,600円
・破れてたフスマ7枚のみ負担
7枚 × 2,600 × 負担率25% = 4,550円
計 4,550円
フスマ張替(小)4枚 単価2,600円
・通常使用による日焼のため負担ナシ
計 0円
クロス工事 単価1,100円
・洋間一室の22.5㎡のみ、煙草のヤニによる汚損が酷いので負担
22.5㎡ × 1,100 × 負担率25% = 6,187円
計 6,187円
清掃・ワックス
・クリーニングは本来は負担する必要ないものだが、
見積以外での過失 (押入れに大量のインクこぼし・洗面鏡を割った・風呂のカビ・換気扇の腐食など)
が大きかった為、折り合いをつけてここは負担した
計 32,000円
消費税
計 2,137円

合計 44,874円
負担額キリよく 45,000円
敷金
+174,000円
負担額
-45,000円
返金額
129,000円



まだ爪が甘い点もあるけどまあ上出来でしょう。
僕は何度も引越しを経験してるので敷金返還に関しては精通してます。
交渉というか折衝もすごく慣れてるので大体相手のハラが読めます。
こんなの行政書士に依頼するまでもない。
不動産屋や家主は、無知な消費者から搾り取れるだけ搾り取ろうって輩が多いので、
知識のない者は足元すくわれる。
知識こそ力だし、知識を活用してこそ賢い。
自分の強みを最大限に活かして、相手の弱みを最小限に抑える。
これが折衝の基本です。
自分の身は自分で守らないといけないですね。

という訳で、賃貸問題で悩んだら相談してください。力になります。笑

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